ベトナムの北部、中部、南部の料理の違い

ベトナムの料理は多様で豊かです。北部、中部、南部の3つの地域で、料理の違いを理解してみましょう。

北部料理

北部料理の特徴は、酸味、辛味、塩味、甘味がバランスよく配合された質素で洗練された味わいです。

代表的な北部料理は、ハノイ(河內)料理、またはHa Thanh(河城)料理です。

フォー、ブンチャー、Banh Cuon (バインクオン)、Bun Rieu Cua (ブンリウクア・蟹汁ヌードル)、Bun Dau Mam Tom (ブンダウマムトム・エビペースト豆腐ブン)などの料理が有名です。

Banh Cuon (バインクオン)(Shutterstock)

通常、チリ、レモングラス、コショウなどのスパイスを使用し、質素さを重視しているため、辛すぎず、食べやすい料理が多いです。

この地の料理は、住んでいる人々や四季のある気候、風土が料理によく現れています。とても食べやすく、多くの方の胃袋をつかむような満足度の高い料理が並びます。

中部料理

ベトナムの中部は、1年を通して、大雨、洪水、乾燥、暑い気候に見舞われるなど、天候に恵まれることが少ないため、非常にスパイシーな料理が多く、唐辛子を多用しています。

フエ王宮やフエ古都に伝わる辛いBún Bò Huế (ブンボーフエ)の他、米粉で作ったケーキ、Mỳ Quảng(クアン麺)やBánh Canh (バインカン)など様々な種類の麺類も有名です。

フエ料理 (Shutterstock)

中部の料理は独自性が高く、好みが分かれますが、辛いものが好きな方は是非食べてみてください。

南部料理

南部料理は、異なる文化の影響を受け、多くの料理の真髄を吸収してきたため、非常に豊かです。南部料理は、北部のように繊細ではなく、中部のように濃厚でスパイシーでもありませんが、独自の特徴を持っています。

その中でも有名なのは、うなぎのレモングラス煮、Hủ Tiếu Nam Vang(ナムバンの麺)などです。

南部の麺 (Shutterstock)

南部人は酸味と甘味を組み合わせた料理を好むため、砂糖やココナッツウォーターを料理に多用します。

日本の顧客にハノイフォーを紹介した理由

前述の通り、北部の料理は質素でありながらスパイスの調和がとれているため、要求の厳しいお客様にも満足していただけると思います。

ただ、ハノイのフォーは手間がかかるので、最も難しい料理と言えます。ハノイのフォーは、骨から出る甘いスープと野菜から出る清涼感が特徴です。

もやしや香草をふんだんに使う南部のフォーとは異なり、ハノイのフォーはネギと少量のレモンだけで食べるシンプルなものです。

ハノイ (Shutterstock)

北部の人々は通常、スープの味を十分に楽しみたいので、フォーの甘く質素な味をかき消すような他のハーブを使いたがらないのです。

北部のフォーは油っぽくなく、味付けも辛すぎず、甘すぎないので、海外に紹介するのにとても適しています。

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