ベトナムの料理は多様で豊かです。北部、中部、南部の3つの地域で、料理の違いを理解してみましょう。
北部料理
北部料理の特徴は、酸味、辛味、塩味、甘味がバランスよく配合された質素で洗練された味わいです。
代表的な北部料理は、ハノイ(河內)料理、またはHa Thanh(河城)料理です。
フォー、ブンチャー、Banh Cuon (バインクオン)、Bun Rieu Cua (ブンリウクア・蟹汁ヌードル)、Bun Dau Mam Tom (ブンダウマムトム・エビペースト豆腐ブン)などの料理が有名です。
通常、チリ、レモングラス、コショウなどのスパイスを使用し、質素さを重視しているため、辛すぎず、食べやすい料理が多いです。
この地の料理は、住んでいる人々や四季のある気候、風土が料理によく現れています。とても食べやすく、多くの方の胃袋をつかむような満足度の高い料理が並びます。
中部料理
ベトナムの中部は、1年を通して、大雨、洪水、乾燥、暑い気候に見舞われるなど、天候に恵まれることが少ないため、非常にスパイシーな料理が多く、唐辛子を多用しています。
フエ王宮やフエ古都に伝わる辛いBún Bò Huế (ブンボーフエ)の他、米粉で作ったケーキ、Mỳ Quảng(クアン麺)やBánh Canh (バインカン)など様々な種類の麺類も有名です。
中部の料理は独自性が高く、好みが分かれますが、辛いものが好きな方は是非食べてみてください。
南部料理
南部料理は、異なる文化の影響を受け、多くの料理の真髄を吸収してきたため、非常に豊かです。南部料理は、北部のように繊細ではなく、中部のように濃厚でスパイシーでもありませんが、独自の特徴を持っています。
その中でも有名なのは、うなぎのレモングラス煮、Hủ Tiếu Nam Vang(ナムバンの麺)などです。
南部人は酸味と甘味を組み合わせた料理を好むため、砂糖やココナッツウォーターを料理に多用します。
日本の顧客にハノイフォーを紹介した理由
前述の通り、北部の料理は質素でありながらスパイスの調和がとれているため、要求の厳しいお客様にも満足していただけると思います。
ただ、ハノイのフォーは手間がかかるので、最も難しい料理と言えます。ハノイのフォーは、骨から出る甘いスープと野菜から出る清涼感が特徴です。
もやしや香草をふんだんに使う南部のフォーとは異なり、ハノイのフォーはネギと少量のレモンだけで食べるシンプルなものです。
北部の人々は通常、スープの味を十分に楽しみたいので、フォーの甘く質素な味をかき消すような他のハーブを使いたがらないのです。
北部のフォーは油っぽくなく、味付けも辛すぎず、甘すぎないので、海外に紹介するのにとても適しています。