ベト屋のブランド物語

懐かしい ハノイ・フォー

ベトナムへの思い、心に深く刻まれている味をこの一品に込めています。古来から伝わるベトナムの親切を伝統的なレシピで日本のみなさまにお届けします。

2018年、東京に移住した私たちは、あることに気付きました。

「日本には本格的なベトナム料理を提供するお店が少ない…」

北米に出張した時などは、現地で美味しいベトナム料理を食べることができましたが、日本にはそれに値するお店がほとんどないのです。

ベトナム人である私たちは、日本に住みながらも、生まれ育ったベトナム料理の味を忘れられませんでした。外食する時は、昔食べたあの美味しいベトナムの伝統的な味を求めて彷徨いました。特にその中でも、朝・昼・夜、いつでも食べるベトナムの代表的な料理フォーは常に心に残っていました。

もちろん、東京でもフォーを食べられるお店は存在しました。しかし、ほとんどはあくまでも”日本風のフォー”であり、ベトナムの”本格的なフォー”とはかけ離れたものだったのです。

「フォーは、日本人には合わないから。」
「フォーは、日本人の食生活に根付いていないから。」
「ビジネスとして始めるのは難しいであろう。」

本格的なフォーを出すお店がないことには多くの理由がありました。

しかし、ベトナムで育ち、世界各国を渡り歩いてきた創業者たちは、「古くからベトナムに伝わる伝統的且つ本格的なフォーは、国境を超える料理である」と確信していました。

「じゃあ、私たちが作ろう」

フォーを作るといっても、それほど簡単なものではありません。

日本への流通の少ない原材料は何処から調達すれば良いのか、伝統的なレシピを再現するにはどれだけの時間と人件費が必要になるかなど、さまざまな課題がありました。

その上、フォーの最たる原材料は「生のフォー麺」です。ベトナムはフォーを日常的に食べる習慣があるため、生フォー麺の製造する企業を見つけるのも容易ですが、日本における生フォー麺の製造をしている企業はなく、「生フォー麺を製造する企業がないから、生フォー麺は使われません。生フォー麺の需要がないから、仮に製造しても販売できません。」というロジックだったのです。

そんな中2021年、偶然にも生フォー麺を製造してくれる方との出会いがありました。その頃は、日本でも再現可能なフォー・スープも完成したこともあり、ちょうど良いタイミングでした。コロナ禍の中ではありましたが、臆することなく東京の築地に『ベト屋』を開店しました。

『ベト屋』は、日本で創業したベトナム料理のお店です。本格的な現地の味を再現し、丁寧にお客さまにお届けすることに努めています。