“壊れた米”ひと皿ごはん「コムタム」とは?

コムタム(Cơm Tấm)は、ベトナムの南部地方、とくにサイゴンで人気のある米料理です。

”壊れた米”を意味するコムタムは、製粉の工程の際に壊れた穀物より調理します。エッグロール、ソーセージ、卵を甘い魚醤(ヌクマム)と一緒に食べる料理です。

砕米で炊いたごはん

コムタムの重要な食材は、もちろん「米」です。砕米は精米のときに残ったものを利用するため、はじめは、貧乏な庶民や学生の食べる料理と考えられていました。

コムタムの需要の高いベトナムでも、毎日砕米を処理するため、丸い米粒を粉砕しています。

薪の上に土鍋や鋳鉄鍋を置いて調理するのが、伝統的な方法ですが、現在は時短のため、”蒸し法”もよく利用されています。砕米は、炊く前に数時間水に浸してやわらかくしておく必要があります。

サイゴンの人々は以前、毎日砕米を食べていましたが、現在は主菜と副菜のある食事を食べています。

20世紀半ば、サイゴンが経済的に発展したのをきっかけに、コムタムの見た目が面白いと人目をひき、今や観光客にも親しまれる料理となりました。

現在のコムタンは大皿にごはん、肉、野菜を盛り付けるのが一般的です。

ヌクマムを利用した甘辛ソース

ベトナムの魚醤(ヌクマム)は全ての料理において、その作り方が異なります。

コムタムと一緒に食べる場合の魚醤は、甘いもので、濾過された水、砂糖のみを使用しましたが、ライムやにんにく、唐辛子の入ったものもあります。

その他の材料

砕米のごはんと甘辛魚醤ソース、その他の肉・野菜を組み合わせて食べます。

卵焼き(Chả trứng)

ベトナムの”卵焼き”は、豚肉の裏ごしに、卵、ビーフン、猫茸、ネギ、香辛料を混ぜて蒸したものです。

上に卵黄を乗せた料理になりますので、見た目も美しく、香ばしい香りが食欲をそそります。

豚皮

豚肉の皮を綺麗にし、火が通るまでさっと茹でてスライスしたものをスパイスと混ぜて使用します。

焼きカルビ

カルビを甘酸っぱいスパイスでマリネにし、香ばしい炭火で焼きます。

多くのお店では半熟卵を利用しています。

漬物

砕米は大根、ニンジン、トマト、キュウリ、パパイヤなどの酸っぱい漬物と一緒に用いられます。

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