ベトナム人は雨季によく何を食べる?
ベトナムの雨季は通常5月から10月まで続きます。ベトナムは大きく北部、中部、南部に分けられますが、この3地域の気候はそれぞれ異なります。そして、気候の違いはライフスタイルと食文化にも影響を与えています。
北部 ( Mien Bac)
首都ハノイなどを含む北部の雨季は、通常 4〜5 月に始まり、10 〜11 月頃に終わりを迎えます。降雨量のピークは 7 〜8 月です。
北部の雨季は、気温が40度を超える日もあります。雨が降ると暑さもやや和らぎますが、湿度が高く、降雨量も多いのが北部の特徴。この気候が、人々の生活と料理に大きな影響を与えています。
北部の雨季は、高温多湿の気象条件から、体を温めてエネルギーを補給することに重点を置いた料理が多くそろいます。
フォーとブン (Pho & Bun)
濃厚なスープのフォーと、いろいろな料理で楽しめるブンは、雨季にも重宝されます。常に北部の人々の食の選択肢のトップにあがる麺料理です。
おかゆ (Chao)
おかゆも人気です。ベトナムのおかゆは鶏肉や鴨肉など種類も豊富。消化も良く、雨の日にしっかり体を温めてくれます。
鍋 (Lau)
北部の鍋料理は、その種類と独特の味わいで有名です。雨の日に北部の人が最初に思い浮かべる料理の 1 つが鍋料理です。よく食べられているのは、鶏肉の鍋や竹の子入りの鴨鍋、カニ鍋、カエル鍋などです。
中部 (Mien Trung)
中部の雨季は通常 8 月末から 12 月末まで続きます。中部の気候は厳しく、台風や洪水が頻繁に発生します。中部では、辛く濃厚でスパイシーな料理が根付いていますが、それはこうした厳しい気象条件や土地柄が生み出したのかもしれません。
ブンボーフエ (Bun bo hue)
牛骨スープとエビペースト、唐辛子とレモングラスの濃厚でスパイシーなスープに、牛肉と豚の足などをトッピングしたブン。雨の日に効果的に体を温めてくれる一品です。
ミークアン (Mi Quang)
エビ、鶏肉、卵、ピーナッツの濃厚なスープときしめんのように太く噛み応えのある麺に生野菜とグリルしたライスペーパーを添えていただきます。味がおいしいのはもちろん、栄養もたっぷりで疲れがちな雨季にぴったりの一品です。
南部 (Mien Nam)
南部は 5 月から10 月まで雨季が続き、しばしば突然の雷雨を伴います。「午前中は晴れ、午後は雨」が多い南部の気候は、まるで移り気な10代の少女のようだといわれています。
フーティウ (Hu tieu)
フーティウは雨季に最も人気のある料理の一つです。暑い日でも寒い日でも楽しめる万能料理がフーティウです。寒い時にはあたたかいスープ麺、暑い時には、つけ麺を選択することもできます。つけ麺は豚骨、エビ、イカ、香味野菜でとった甘めのタレに、モチモチの麺がよく絡み、体をクールダウンしてくれます。
バインセオ (Banh xeo)
サクサクの皮にエビ、肉、もやしが入った南部バインセオは、雨の日にも大人気の料理です。生野菜と甘酸っぱい魚醤を添えていただきます。バインセオのカリカリとした風味は味覚を刺激し、体を温めてくれます。
ベトナムは料理は、それぞれの気候や自然条件、人々のライフスタイルごとに独特の味わいがあるのが魅力です。
フォーを代表とした北部の熱々の料理、中部の濃厚な料理、南部のあっさりした料理まで、ベトナム料理は、バラエティに富んでいて、それぞれの地域の人々の栄養ニーズと好みを満たしています。
ベト屋では、何の料理を提供しているか、メニューに確認してみてください。