麺が、緑色をしています。初めて運ばれてきた煎茶フォーを前に、多くのお客様が一度箸を止めます。抹茶ではありません。静岡県島田市の製茶会社・丸孫(まるまご)がつくる一番茶のパウダーを、フォーの生地そのものに練り込んだ麺です。
2026年7月25日、ベト屋はこの一杯の販売を始めました。抹茶そばや抹茶うどんは以前からあります。しかし、ベトナムの米麺に日本茶を合わせた例はこれまでになく、日本初のフォーとして世に出すことになりました。
このページでは、この麺がどこから来て、どうやって一杯になったのかを記録しておきます。

緑の正体は、静岡・島田の一番茶
使っているのは、その年いちばん最初に摘まれた「一番茶」です。オリーブオイルでいう一番搾りにあたり、茶葉としては最上級の摘み取りにあたります。それを粉末にしたものを、麺の生地に直接混ぜ込んでいます。
つまり、この緑は着色ではありません。お茶そのものの色です。だから麺を口に運ぶと、噛んだあとから香りが立ち上がってきます。

創業1905年、丸孫という製茶会社のこと
丸孫(株式会社MARUMAGO)は、明治38年=1905年の創業です。今年で120年を超えました。所在地は静岡県島田市。日本を代表する茶処である静岡県のなかでも、島田はその中心地として知られる土地です。
丸孫の特徴は自園自製にあります。自社の茶園で育て、自社の工場で仕上げるまでを一貫して行っています。さらに、静岡に伝わる深蒸しの製法を代々受け継いでおり、色と香りと味が濃く出るお茶に仕上がります。
この一杯は、丸孫との共同開発から生まれました。
煎茶フォーに一番茶を選んだ理由
丸孫からは、番茶を使う選択肢も示されていました。番茶のほうが原価は抑えられます。それでも一番茶を選んだ理由は単純です。麺にしたときに香りが残るかどうかが、この商品の価値のほぼすべてだからです。
香りの弱いお茶を練り込むと、スープと具材に負けてしまいます。ただ緑色をしただけの麺になってしまうのです。一方で一番茶は、加熱して麺にしてもなお、すっと鼻に抜ける青い香りが残りました。

麺は生麺、スープは14時間以上
ベト屋のフォーは、もともと生麺です。乾麺を戻したものではありません。煎茶フォーの麺も同じで、丸孫のお茶を生地の段階で練り込み、生麺として仕上げています。
スープのつくり方は変えていません。骨から14時間以上かけて炊き、化学的な添加物に頼らず、素材そのものから出る旨みで味を決めています。仕込みから提供までは、およそ24時間かかります。
新しい麺だからといって、土台まで新しくする必要はありませんでした。むしろ、いつもと同じスープだからこそ、お茶の香りの違いがはっきり分かります。
2種類の煎茶フォー|冷たい一杯と、温かい一杯
冷やし煎茶フォー(1,390円) — 夏のあいだの主役です。冷たく締めた緑の麺に、蒸し鶏、アボカド、トマト、きゅうりなどを彩りよくのせました。暑さで食欲が落ちる時期でも、するすると食べ切れる一杯です。
鶏煎茶フォー(1,190円) — 温かいスープでいただくタイプです。鶏だしの澄んだスープは味わいが軽く、お茶の香りを邪魔しません。冷たいものが苦手な方は、こちらをどうぞ。

※写真は撮影時のものです。盛り付けは時期や店舗により異なる場合があります。
煎茶フォーが食べられる店舗と、1日15食という数量
この一杯は、ベト屋の全店舗でお出ししています。ただし、麺は丸孫の一番茶を使った専用の生麺です。そのため、つくれる量には限りがあります。1日15食の数量限定とし、なくなり次第終了とさせていただいています。
実際、販売開始から数日で売り切れる店舗も出ました。確実に召し上がりたい場合は、早めの時間帯にご来店ください。冷たいほうの詳細はメニューページにも掲載しています。
よくあるご質問
Q. 抹茶そばとは何が違いますか。
A. お茶の種類と、麺そのものが違います。抹茶ではなく煎茶の一番茶を使い、そば粉ではなくベトナムの米麺に練り込んでいます。
Q. お茶の味は強いですか。
A. 苦みが立つような強さではありません。噛んだあとに、鼻へ抜ける香りとしてお茶を感じる程度です。
Q. いつまで食べられますか。
A. 数量限定のため、原材料の入荷状況により終了する場合があります。最新の状況は各店舗にお問い合わせください。



















