バインセオ(Bánh Xèo)の基本知識
バインセオは、ベトナム南部発祥の伝統的な米粉料理です。日本ではベトナム風お好み焼き、西欧ではベトナム風クレープなどとも呼ばれる人気の料理で、その美しい黄金色とユニークな食べ方で多くの人を魅了しています。
「バインセオ(Bánh Xèo)」の「セオ」は、熱いフライパンで生地を焼く時の「ジュージュー」という音を表現した擬音語です。この音こそが、美味しいバインセオが焼き上がる合図なのです。

バインセオの特徴と魅力
見た目と食感の秘密
- この鮮やかな黄色はターメリックの色で、決してオムレツや玉子焼きではありません。この米粉入りの生地、周りは薄くパリパリに焼かれますが、中心は対照的に、少しモチッとしていて1枚で2つの食感が楽しめます。
具材のシンプルな美味しさ
中身はたっぷりのもやし、豚肉、海老、あるいはキノコ、タマネギなどが入っています。具材はシンプルですが、だからこそバインセオ独特の生地の風味が際立つのです。
バインセオの正しい食べ方
バインセオの醍醐味は、その独特な食べ方にあります:
- レタスで包む: 添えられた葉物野菜で皮や具材を手巻きの要領で包む
- 香草を添える: シソやパクチーを添えて香りを豊かに
- 特製ソースで: 甘酢タレ(ヌクチャム)をつけて味わう
- 手で食べる: 手巻き寿司のように手で食べるのが本来のスタイル
この食べ方により、新鮮野菜もたくさんとることができる、ヘルシーで魅惑的な料理として楽しめるのです。
ベトナム各地域のバインセオ
南部(ホーチミン周辺)
- サイズ: 大判(直径25-30cm)
- 生地: ココナッツミルクたっぷりで甘め
- 具材: エビ、豚肉、もやしの王道スタイル
- 特徴: 観光客にも人気の代表的なスタイル
中部(フエ・ダナン周辺)
- サイズ: 小さめ(直径15-20cm)
- 生地: よりクリスピーで薄い
- 具材: 海鮮系が豊富
- 特徴: 一人前で複数枚楽しむスタイル
北部(ハノイ周辺)
- サイズ: 中程度
- 生地: あっさりとした上品な味付け
- 具材: シンプルで洗練された組み合わせ
- 特徴: 首都らしい繊細な味わい
バインセオの栄養価と健康面
バインセオは米粉ベースのため、小麦粉に比べて消化に優しいグルテンフリーの料理です。また、たくさんの生野菜と一緒に食べるため、ビタミンや食物繊維を効率的に摂取できます。
ただし、調理時に使用される油の量も多いため、食べ過ぎには注意が必要です。
バインセオを楽しむ際のポイント
初心者におすすめの食べ方
- まずは基本のレタス包みから始める
- 香草は少量から慣れていく
- ソースは適量を心がける
- 手で食べることを恥ずかしがらない
本格的な体験をするなら
- 複数人でシェアして食べる
- 様々な香草の組み合わせを試す
- 地域別の違いも味わってみる

まとめ:バインセオの魅力を体験しよう
バインセオは単なる料理を超えて、ベトナムの食文化と生活スタイルを体験できる特別な料理です。黄金色の美しい見た目、パリパリとモチモチの二つの食感、そして新鮮な野菜との絶妙な組み合わせは、一度食べたら忘れられない味わいです。
ベトナム料理初心者の方も、すでにファンの方も、ぜひ本格的なバインセオの世界を探求してみてください。きっと新しい発見があるはずです。