「パクチー=ベトナム料理」ではない!
「ベトナム料理って、どれもパクチーが効いてるんでしょ?」
そんな声を日本でよく聞きます。でも実は、それはちょっとした誤解です。
確かにパクチー(ベトナム語では「ザウムイ」rau mùi)は、フォーや生春巻きなどベトナム料理によく添えられる香草の一つですが、ベトナム料理の魅力はパクチーだけでは語れません。多彩な食材や調味料を使って生み出される奥深い味わいこそ、ベトナム料理の最大の魅力です。

ベトナム料理は、酸味、辛味、塩味、甘味、苦味の五味の絶妙なバランスが特徴と言われています。
例えば、ベトナムの代表的な料理「フォー(Phở)」の食べ方をみても、
甘み(野菜や肉骨から煮出したスープ)+塩味(調味料)+酸味(ライム)+辛味(チリソース)+苦味(ハーブ)
など、五味が組み合わされているのがわかります。
ベトナムでは酸・辛・塩・甘・苦をバランスよく摂ることが「健康」に良いとされており、また暑い気候に適応するためにも自然にこの味の組み合わせが進化したといわれています。
ただ、香草や調味料は後付けできるように別提供になっていることが多く、味のバランスは個人の好みに合わせて調整できるようになっているのもベトナム料理の良いところです!
ぜひ、足し引きを楽しみながら、自分好みの味わいを見つけてください。
香草はパクチーだけじゃない!ハーブ天国・ベトナム

ベトナムでは料理と一緒に「香草の盛り合わせ」が提供されることが多く、そこにはパクチー以外にもバジル、ミント、レモングラス、ドクダミなど、たくさんのハーブが含まれています。
これらを自分の好みで加えることで、料理の味わいがガラッと変わるのがベトナム流。パクチーが苦手でも、ミントやバジルだけで爽やかに楽しめるのです。また、香草自体が苦手という人は、香草を入れずに食べることもできます。
どの店でも「パクチーを抜いて!」といえば、たいてい対応してくれます。日本にあるベトナム料理店では、日本人はパクチーが苦手な人が多いということをよく知っているため、あらかじめパクチー抜き、またはパクチー別添えをデフォルトにしているお店も多いです。
パクチーが苦手でも楽しめる!おすすめベトナム料理
パクチーを避けたい方でも安心して食べられる料理はたくさんあります。
- バインミー(ベトナム風サンドイッチ)
注文時に「パクチーなしで!」と伝えればOK。具材はバリエーション豊富。 - ブンチャー(焼きつくねと米麺のつけ麺)
ハーブは別添えなので、好みで調整できます。 - コムタム(豚肉リブののっけご飯)
しっかりした味付けで、パクチーなしでも美味です!
ベトナム料理をもっと気軽に楽しもう!
「パクチーが苦手だから…」とベトナム料理を避けていた方も、ちょっとした工夫で新しいおいしさに出会えるはずです。現地の人もすべての料理にパクチーを入れているわけではなく、料理の特徴や、個々の好みに合わせて使い分けています。ハーブの使い方も含めて「自分好みの味を見つける」のもベトナム料理の楽しみ方の一つ。ぜひ先入観を捨てて、ベトナムの奥深い食の世界に一歩踏み出してみてくださいね。