ベトナムのサンドイッチ「バインミー」の歴史

ベトナムのサンドイッチ「バインミー」(Bánh Mì・バンミーとも呼ばれる)は、ベトナム人のみならず、観光客にも人気のあるパンで、世界中のサンドイッチランキングの上位10位にランクインしています。

2011年3月24日には、オックスフォード辞書に「Banh Mi」が追加されるなど、世界各国で人気が広まりつつあります。

ベトナムには、幹線道路沿いから、細い路地裏まで、至るところにバインミー屋さんがあります。

今回は、人気が高まっている”バインミー”の歴史について紹介していきます。

はじまりは、1859年にフランスの植民地主義者がベトナムのサイゴンに行き、ザーディン要塞占拠のための遠征を行ったことです。

当時のバゲットパンは、主食ではなく”おやつ”の位置付けだったようですが、その需要は高まり、美味しくて温かいバゲットを食べるため、フランス人がベトナムに大型のパン焼き窯をつくりました。

その後、ベトナムのパン職人が焼き窯や生地のレシピを改良して、ベトナム生まれのパンに仕上がりました。

密閉構造されているベトナムのパン焼き窯で焼くバゲットは、中はモチモチ、外はサクサクといった食感が楽しめるものになりました。

1958年頃になると、サンドイッチ型のバインミーが、サイゴンのホアマー店にてつくられるようになりました。

開店当初は、パンと具が別々のお皿で提供されていましたが、ナイフとフォークを持ちいらずに手軽に食べられる、現在の”サンドイッチ型”を提供しはじめました。

これにより、座ってゆっくり食事がとれたり、テイクアウトに対応できるようになり、人気が急上昇しました。

パンの中に肉、ポークロール、パテがサンドされたホアマー店のサンドイッチは、多くの学生や公務員の心をキャッチし、さまざまなミートサンドイッチ店がサイゴンに開店しました。

そして、これらのお店は、現在もサイゴンにて営業中です。

バインミーはサイゴンを発祥として、現在は、ベトナムの全ての地域に広まっています。

一般的に、数十年前のパンと比べると、海綿状に薄くなり、クラストは厚くなりました。持ち運びに便利な約30センチの長さのものも販売されるなど、各地域でどんどん改良が進みました。

ベトナムのバインミーは、シンプルでバランスが良く、味・香りの良いバゲットです。

私たちのお店、「ベト屋」のバインミーもまた、素材の1つ1つにこだわってつくっています。

パンにパテ、バター、ピクルス、肉料理、全てを手作りすることで、こだわりのハーモニーを実現しています。

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