朝の仕込みを終えて出される、ベト屋の一杯と卓上の薬味
朝の仕込みを終えて出される、ベト屋の一杯と卓上の薬味

ベト屋の朝|一杯が生まれるまでのフォーの仕込み

朝の街がまだ静かな頃、私たちの厨房ではもう仕込みが始まり、湯気が立ちのぼっています。

お客様に見ていただくためでも、特別な演出のためでもありません。ただ、フォーのスープだけは急ぐことができないからです。

Viet Origin ベト屋の朝は、一杯のフォーよりずっと早く始まります。今日お出しする一杯は、実のところ昨日から続いているフォーの仕込みの、その続きなのです。

朝の仕込みを終えて出される、ベト屋の一杯と卓上の薬味

フォーの仕込みは、前の日から始まっている

私は前日の午後、大きな寸胴鍋を火にかけます。

最初は強火でしっかりと沸かし、そのあとは火加減を見ながら、ゆっくりと時間をかけて煮込んでいきます。使うのは、牛骨・豚骨・鶏ガラの3種類。それぞれの持ち味が少しずつ溶け合い、スープに深みを与えてくれます。

骨を煮込む時間は14時間以上。さらに翌朝、新鮮な玉ねぎや生姜、大根などの野菜を加え、およそ3時間かけて味を重ねていきます。

こうして一つのスープが仕上がるまでにかかる時間は、約24時間。私たちは一杯のフォーのために、その24時間ずっと火を守っているのです。

寸胴鍋に牛骨・豚骨・鶏ガラを沈めていく、フォーの仕込みの始まり

誰にも見えないフォーの仕込みの時間

長い時間煮込んでいる間、ただ待っているわけではありません。

鍋から浮いてくるアクを何度も丁寧に取り除き、余分な脂をすくい、火力を細かく調整します。少し目を離すだけで、スープの透明感は変わってしまうからです。

だから私は、鍋の音を聞き、立ちのぼる湯気を見て、その日の状態を確かめています。この積み重ねが、あの透き通った優しい味につながるのだと思っています。

もうひとつ、私たちが決めていることがあります。スープに化学調味料は使わない、ということです。骨と野菜がゆっくり育ててくれる自然な味だけで、一杯を仕上げています。

スープづくりの工程は、14時間煮込むスープの作り方でもくわしく紹介しています。

生フォーを選び続けている理由

スープと同じくらい大切にしているのが、麺です。

Viet Origin ベト屋では、乾麺ではなく生フォーを使っています。ただ、日本で生の麺を安定して手に入れられる環境は、長いあいだほとんどありませんでした。

生の麺を出す店が少ないから、つくる会社も増えない。つくる会社が少ないから、扱える店も増えない。そんな状態がずっと続いていたのです。

だからこそ、誰かが最初の一歩を踏み出さなければ、この流れは変わりません。私たちは本場の食感を届けたいという思いから、生の麻を選び続けています。

もっちりとした弾力と、なめらかな口当たり。スープとの一体感は、乾麺ではなかなか出せないものだと感じています。

仕込みを終えた生の平打ち麺と牛肉のフォー

一杯目をお出しする瞬間が、一日の始まり

朝のフォーの仕込みが終わる頃には、店の前にも少しずつ人が増え始めます。

最初のお客様が入店され、一杯目を運ぶ瞬間。私は毎日、その湯気を見て少しだけ安心します。

朝の仕込みの最後、澄んだスープを器に注ぐ

目の前にある一杯は、たった数分で食べ終わるかもしれません。でも、その後ろには約24時間の時間が流れています。今日もまた、その時間ごと味わっていただけたら嬉しく思います。

私たちの歩みについてはベト屋の物語を、お店を探している方は東京で本場フォーを楽しむガイドもあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. フォーの仕込みにはどれくらい時間がかかりますか?

A. 骨を煮込む時間は14時間以上、野菜を加える工程まで含めた全体では約24時間かかります。

Q. スープには化学調味料を使っていますか?

A. いいえ。骨と野菜から引き出した自然な味だけで仕上げています。

Q. どんな骨を使っていますか?

A. 牛骨・豚骨・鶏ガラの3種類を使用しています。

Q. 麺は乾麺ですか?

A. いいえ。Viet Origin ベト屋では生の麺を使用しています。もっちりとした弾力とスープとの一体感が特徴です。

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